分析対象とする経済指標について
分析対象とする経済指標一覧
経済指標名 | 統計元 | 時期 | 種類 |
---|---|---|---|
国内総生産 GDP | 内閣府 | 5月 8月 11月 2月 | |
日銀短観 | 日銀 | 4月 7月 10月 12月 | 先行 |
消費者物価指数 CPI | 総務省 | 毎月 | 遅行 |
景気動向指数 CI | 内閣府 | 毎月 | 先行 |
機械受注 | 内閣府 | 毎月 | 先行 |
鉱工業生産指数 | 経済産業省 | 毎月 | 一致 |
完全失業率 | 総務省 | 毎月 | 遅行 |
国際収支 BP | 財務省 | 毎月 | |
米国内総生産 | アメリカ | 4月 7月 10月 1月 | |
米雇用統計 | アメリカ | 毎月 | |
中国PMI | 中国 | 毎月 | |
ユーロ圏失業率 | EU | 毎月 |
分析の基本
以下の事項をもとに分析する
- 目標値との比較
- 前回発表値との比較(トレンド分析含む)
- コンセンサスとの比較
- 関連政策
⦅参考ーコンセンサスの調べ方⦆
- Investing.com
- みんかぶFX
- SBI証券
- その他証券会社レポート
経済指標の概要
国内総生産 GDP
概要
期間内において国内で生産された付加価値の合計をいう。
日本市場の景気感と直結しており、重要な経済指標である。
関連した経済指標として、一時的な要因による付加価値の増減を排除した潜在GDPおよびその成長率である潜在成長率がある。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
日銀短観
概要
民間企業を対象に行う経営状況の実感に関するアンケートである。
経済状況が「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を差し引いて得られる業況判断DIが重要指標となる。
日本市場の景気を適確に表した指標として重要視されている。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
消費者物価指数 CPI
概要
最終消費者が直面するモノ・サービスの価格の水準を、基準年を100として表したものである。
総合指数から種目ごとの指数まで発表される。
物価を表す指標として重要視される。
また、金融政策はCPIをもとに発動を検討される。
⦅参考ー物価と景気について⦆
原則として、インフレは経済・金融政策や企業活動好調(民間投資増加)の結果によるものである限り、需要増加を起因として生じており、GDPを増加させるものとして好感される(ディマンドプル・インフレ)。例外として、インフレが供給コストの上昇により生じた場合は、需要増加を伴わないものであり、GDPを減少させるものとして悪材料となる(コストプッシュ・インフレ)。
なお、安定的なインフレが続いた場合、債券利回りが利上げされる可能性がある。
これは株式市場から債券市場への資金流出誘因となることから、株式市場では悪材料となり、債券市場では好材料となる。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
景気動向指数 CI
概要
景気に関連する28の指数から得られる総合景気指標である。
28の要素ごとの景気指数は、実際の景気に数ヶ月先行する先行指数、実際の景気に一致する一致指数、実際の景気に数ヶ月遅れる遅行指数がある。
それぞれ50%を境に景気拡張局面にあるか、景気後退局面にあるかが判断される。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
機械受注
概要
企業が設備投資のため製造業へどれほど機械発注を行ったかを示す指標である。
企業は設備投資を将来の事業拡大を見越して行うため、景気に先行して本指標は増減する。
政府主導の需要が強い船舶・電力は全体の数値から除いて分析を行う。
また、機械は中国へ輸出されることが多いため、中国景気に左右される面があることに留意する。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
鉱工業生産指数
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
特に鉱業・製造業
完全失業率
概要
労働の意思を持つ15歳以上の者に対する失業者の割合を示したものである。
採用・解雇には一定の時間を要するうえに、モラル的に要素から柔軟な人件費の操作は難しいことから、実際の景気に遅行して失業率が動く。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
国際収支 BP
概要
貿易による輸出額と輸入額の差を表す。
貿易黒字は財需要増加を表し、GDPを増加させる。
同時に貨幣需要も増加し、円高圧力が強まる。
⦅参考ーISバランス式⦆
以下をISバランス式といい、国際収支の分析に用いることができる。経常収支=民間収支(貯蓄ー投資)+財政収支(税収ー政府支出)
※国際収支のうち、財・サービスの輸出入取引を経常収支(経常勘定)といい、資本の取引を資本勘定という。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
特に海外輸出入を直接行う企業
米国内総生産
概要
アメリカは輸出入総額の15%を占める第2位の貿易相手国である(2017年統計時点)。
このため、アメリカの景気に直結する米国内総生産は直接アメリカを相手に輸出入を行う企業を中心に業績へ影響をもたらす。
また、現在の主たる国際サプライチェーンは日本・韓国・台湾などにおいて生産した品目を、中国において最終加工し、それをアメリカで最終消費するというものである。
そのため、輸出入総額以上にアメリカ経済と日本経済の連動性は高い。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
特に海外輸出入(対米・中中心)を直接行う企業
米雇用統計
概要
日本経済とアメリカ経済の連動性の高さについては上記のとおりである。
それに加えて、アメリカでは経済指標として雇用統計を重要視する節が強い。
そのため、世界からの注目度が高く、雇用統計週は為替が乱高下しやすいなど、主に通貨への影響を通して日本経済へ影響をもたらす。
目安として、20万人増以上にて米GDPを押し上げる要因として好感され、15万人増にて米GDPへの影響なしとされ、それ以下では米GDPを押し下げる要因として悪材料とされる。
影響を受ける業界・業態
日本国内に拠点を置くすべての業界・業態
特に海外輸出入(対米中心)を直接行う企業
中国PMI
概要
中国は輸出入総額の20%を占める第1位の貿易相手国である(2017年統計時点)。
このため、中国の景気に直結する中国PMIは直接中国を相手に輸出入を行う企業を中心に業績へ影響をもたらす。
なお、PMIは購買担当者景気指数をいい、景気感を表す指標である。50%を境に景気拡張局面にあるか、景気後退局面にあるかが判断される。
影響を受ける業界・業態
中国・アジア圏へ輸出入を直接行う企業
ユーロ圏PMI
概要
ユーロ圏は中国・アメリカに次ぐ第3位の貿易圏である(2017年統計時点)。
このため、ユーロ圏の景気に直結するユーロ圏PMIは直接ユーロ圏を相手に輸出入を行う企業を中心に業績へ影響をもたらす。
なお、PMIは購買担当者景気指数をいい、景気感を表す指標である。50%を境に景気拡張局面にあるか、景気後退局面にあるかが判断される。
影響を受ける業界・業態
ユーロ圏へ輸出入を直接行う企業