まとめ『ゾーン 相場心理学入門』
言いたいことは次のことだろう
典型的トレーダー像
ファンダメンタル・テクニカル分析の知識を高めることで、マーケットにおける勝率の高いトレード戦略を練り出すことに全力を尽くす。
そのなかで「このトレード戦略が失敗するはずがない」と誤認してしまう。
マーケットでこのトレード戦略を用い、一定量の成功をすれば自己陶酔に陥り、一定量の失敗をすれば恐怖状態に陥る。
これにより一時的な成功はできるものの、一定量の成功を得た時点でマーケットから得られる情報に色眼鏡を掛けてしまう。
この色眼鏡の存在がトレード戦略にノイズを混入させてしまい、本来の成功確率を下げてしまい、一貫した成功を実現できない。
成功するトレーダー像
ファンダメンタル分析・テクニカル分析の知識をもとに一定の成功確率をもったトレード戦略を練り出す。
マーケットにおけるトレード戦略の成否は成功確率にもとづくものであることを認識し、算出された失敗確率については避けられないものと認識している。
つまり、マーケットには一定の可変要素があり、それ故にマーケットの流れを完全に読むことは出来ないと認識しており、成功による自己陶酔も失敗による恐怖心も感じない。
特に失敗の場合の損失は、当然に発生する費用(コスト)として捉える。
マーケットにおいて行うことは、成功の場合の利確戦略と失敗の場合の損切り計画を立案のうえ、トレード戦略を実践するのみである。
成功するトレーダーへの道
- 確率的思考法を常に心がけ、優位性のあるトレード戦略にもとづき、マーケットに現れたシグナルにより自動的にトレードし、また成功の場合は利確戦略の通りにトレードし、失敗の場合は損切り計画の通りにトレードする
- この間に恐怖心や痛みが生じて、マーケットに現れる情報にバイアスがかからないよう常に意図する(見るべき情報を見なかったことにする、本来トレード戦略の可変要素として存在しない情報を見る)
- これらが叶わなかった場合を「ミス」と呼び、確率的思考法に則ったトレードの失敗をミスとは呼ばず、ただのコストである
- この「ミス」が生じた場合には、マーケットの責任を問うことなく、全てを自分の責任と考え改善を促す
- トレード結果が成功であっても、失敗であっても心を動かさない。大数の法則によりトレード戦略の優位性(成功確率・期待値)に収束させるためにトレードは行われるのである
- トレード戦略の優位性を確かめるには少なくとも20回のトレードを行う。またはバックテストを行う